看護師には勤務先の就業規則によって定められている制度上の定年もありますが、実質的に定年を意識してしまうものを必ず経験することになります。制度上のものではないため、乗り越えることができるのも特徴であり、実際に壁を乗り越えて働いている人も少なくありません。通常は二度の経験をすることになり、両方を乗り越えることで制度上の定年まで働くことができるでしょう。
一度目のタイミングは家庭生活の変化によって到来するものです。女性の場合に特に顕著なのが結婚と出産であり、どちらかのタイミングで退職を検討することになるでしょう。結婚によって家庭の家事を行わなければならなくなることや、出産をして当面は育児も担わなければならなくなることが大きな負担になり、看護師の仕事との両立ができるかが不安になってしまうのです。
二度目に到来するのは体力不足であり、育児と仕事の両立も達成してしばらくしてから経験することになります。四十代から五十代の頃に経験しやすいのが体力不足による退職の検討です。この頃になると加齢による体力の低下が著しくなってきて、毎日精一杯働くのが難しくなり、身体のあちこちが痛むようになってしまうこともあります。
その状況になってもなお頑張ろうと考えられると二つ目の壁も乗り越えて定年まで働けるのです。看護師にとって二度到来する壁なので、予め覚悟しておいて前からできる準備はしておくという心構えが大切です。